短い工期・低コストで導入できる無流水渓流(小規模渓流)向けの杭式(杭基礎)土石流・流木対策工
アーバンガード®は、主に0次谷などの無流水渓流(小規模渓流)で発生する土石流・流木を捕捉する柔構造の杭式(杭基礎)の土石流・流木対策工です。
シンプルかつ軽量な部材で構成されており、施工性に優れています。
- 無流水渓流(小規模渓流)での土石流・流木対策に最適
- 少ない設置面積と工期の短縮を実現する杭式(杭基礎)構造
- 初期設置費用が縮減され、経済性に優れた対策工
- 繰り返しの土石流・流木を捕捉できる対策工
- 高強度で「ねばりの機能(靭性)」に優れた支柱を採用
特長
アーバンガード®は、設置費用が安価であり、設計荷重内であれば、土石流・流木捕捉後に除石等を行うことで繰り返し使うことが可能です。
緩衝装置を用いない構造で、部材交換がほとんど必要なく、イニシャルコストとランニングコストの両方を抑えられます。
維持管理と景観に優れた対策工
アーバンガード®は、シンプルかつ軽量な部材で構成されているため、除石、除木、部材の取り替えが容易に行なえます。また、透過性に優れており、周囲の景観に調和します。さらに、支柱と連結部材を環境色にすることで、より景観になじませることができます。
杭基礎構造の支柱
支柱基礎が杭基礎構造であるため、河床の地盤改変が少なく、工期を短縮できます。
安全対策などの緊急性を要する現場で、短い工期での設置が期待できます。また、上流部のアンカーを用いないため、上流部の地盤条件や用地確保にかかわらず設置が可能です。
支柱部材には、外部鋼管内に小口径鋼管を束ねて配置し、鋼管同士の隙間にモルタルを充填した特殊構造鋼管(LST鋼管)を採用。高強度で「ねばりの機能(靭性)」に優れています。
根入れ長は設計条件を考慮し、河床洗掘も見込んで決定します。
現場に合わせた格子幅のワイヤロープネット
土石流・流木を捕捉するワイヤロープネットは、複数のワイヤロープを上下左右に連結して格子状に加工されています。格子幅を現場に合わせて設定することが可能です。
格子幅の広がりを防ぐ連結部材を使用しています。また、ワイヤロープネットの最上、最下には、耐摩耗性に優れた部材を設置します。
構造
アーバンガード®は、主に支柱、ワイヤロープネット、ワイヤネットで構成されています。
透過部に配置した支柱とワイヤロープネットで、流下する土石流・流木を受け止めます。
間隙部にも流出防止のワイヤネットを配置しており、左右両岸にアンカーで係留しています。
一般構造図例
設計
アーバンガード®は、「砂防基本計画策定指針(土石流・流木対策編)解説」及び「土石流・流木対策設計技術指針解説」
(共に国土交通省国土技術政策総合研究所)に基づいて、土石流流体力と堆砂圧を考慮した設計により構造を検討し、部材を選定しています。
土石流時
土石流時の荷重は、土石流捕捉工の高さ(H)から、土石流の水深(Dd)分を残した高さまでを堆砂土圧高(H-Dd)として、土石流が直撃したケースを想定します。
<土石流流体力> | |
F=α・γdg・Dd・U² | |
ここに、 | |
α: | 係数 1.0 |
γd: | 土石流の単位体積重量 |
g: | 重力加速度 |
Dd: | 土石流の水深 |
U: | 土石流の流速 |
<堆砂圧> | |
P1= 12・Ce・γe・(H-Dd)² | |
P2=q・Ce・(H-Dd) | |
P=P1+P2 | |
ここに、 | |
γe: | 堆砂の単位体積重量 |
Ce: | 土圧係数 |
H: | 土石流捕捉高 |
q: | 土石流による上載荷重=γd・Dd |
H-Dd: | 堆砂土圧高 |
施工手順
アーバンガード®の基本的な施工手順を紹介します。